大草原の小さな寒村

孤独に歩め。悪をなさず。求めるところは少なく。林の中の象のように。

音楽

『ぼっち・ざ・ろっく!』と、2023年の邦楽インディー・ロック界の覚え書き

10年ほど前の話。暫く連絡を取っていないが、私には、声優志望の友達がいた。 彼はかなりのヒネクレた“中二病”で、声優学校のチャラい同級生を毛嫌いし、蜷川や富野の「本物の芝居を見ろ」という言葉を真に受け、よく私を、下北沢に居る名も知れぬ小劇団の戯…

文化盗用の危険性について。

芸術というものは、有史以降、文明社会と密接につながっている。芸術は、人間の実存を社会に表明する行為である。とりわけ、グローバリズムが世界を覆う前の世界。芸術というものは社会を動かせるだけの力があった。人類史において、その最たる現象は、言う…

『ぼっち・ざ・ろっく!』。音楽業界のロシア・ウクライナ戦争。帝国とマルチチュード。について。

日本時間2022年11月29日現在。2022年2月24日(その前からうすうす予感が脳裏に走っていたが)ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、僕は今年、趣味のロックバンドDIG収集にやる気が薄れた。それは、2020年コロナ上陸当時のコロナによる世間の異常な空騒ぎの…

『秒速5センチメートル』における『one more time one more chance』新説

僕は秒速5センチメートルを何度観ただろうか。 実際パトレイバー2に匹敵するほど、超ヘヴィーで観ているのは確かだ。もはやポエム台詞ひとつひとつがオルガ・イツカの詠唱のように聞こえる。ここでは小説版の話は加えない。映画逆シャアでベルチルの話をする…

Galileo Galilei 再結成によせて

タイムラインでGalileo Galilei再結成の文字が踊った。本当なのかと、リアルタイム検索。マジだった。私にとってGalileo Galileiは、多感な10代後半から20代前半まで、一番聴いた活動中の邦楽ロックバンドだ。はじめに出会ったのは、駅前TSUTAYAさんで借りた…

サブスクではダメだ。タワーレコードでCDを直接買うべきなんだ。

音楽が好きで、とくに最新の流行に目がないという音好きは、タワーレコードに行って実物のCDを買うべきだと僕は思う。タワーレコードにある、自分の好きな音楽コーナーの、店員が情熱を込めて描いた手書きのポップ。プッシュしているバンドたちのコーナーの…

『Ζ・刻をこえて』時代の転換期に聴きたい一曲

ここ数年に起こった、ウクライナ侵攻、コロナウィルス、衆院選、そして参院選という時代の転換期。そのたびに、ぼくには、聴かずにはいられない一曲があった。それが『Ζ・刻をこえて』 「機動戦士Ζガンダム」とは、まるで不可解なオーパーツのような作品であ…

BBHF「バックファイア」

Galileo GalileiとBBHFについて 当初、音楽系のブログをやろうと思ってたけど、なかなか音楽に対する思いを書けなかったから書く。この曲はぼく的に思いを綴ることができる曲だった。ぼくは、このBBHFというバンドの前身、Galileo Galileiを、ご存知「あの花…

一人暮らし生活115日目 Stand up to the victory

岡崎体育の「スペツナズ」これは2014年当時のクリミア動乱を暗喩したプロテストソングです(確実)。↓のツイートの読み解き方がナルホドネーとなった。岡崎体育の「スペツナズ」(2015)の歌詞が現実になるとはね・・・。歌詞を追っていくとちゃんとストーリー…

オタクとサブカルよ、習合せよ! 俺は怒っている。

オタク系商業ネットライター、彼らの書くセンテンスほど醜いものはない。彼らは商売で文章を描いているので、まず批評はしない。とにかく、これが危険である。「推してくれ」と依頼された流行りのコンテンツを、無条件で彼らは崇め、コンテクストの生成に一…

一人暮らし生活94日目 1月と2月はちょっと歩幅を緩めて往年の名作を探る期間。2014年の邦楽シーンが豊作すぎた件。

「1年間」の期間で音楽を語るとして、1月や2月はまだリリースしたてホヤホヤの曲はそう焦って聴く必要はない(ライブまで迫ってない限り)。今日は昼から夕方までジザメリ、ライド、ダイナソーJr、ティーンエイジ・ファンクラブ、シャーラタンズ、などな…

一人暮らし生活92日目 やっぱ『クズの本懐』面白すぎるわ。

『クズの本懐』に影響されて、『サンボマスター』のベストアルバムを聴いていた。サンボマスター。忘れらんねえよ みたいなバンドと思ってたけど、どっちかといえばフラカン側に近いなぁと思った。 しかし『クズの本懐』のアニメを観て2,3日たった今もスゲ…