大草原の小さな寒村

孤独に歩め。悪をなさず。求めるところは少なく。林の中の象のように。

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

コラム・なぜぼくらは90年代から逃れられないのか その1

「ザ・バットマン」においてブルースがカート・コバーンに仕立て上げられてしまった理由 いわゆるシュワやスタローンみたいなマチズモ像をジェイソン・ボーンが覆したと言われる逸話。本当に覆せたと言えるのか?それでもジェイソン・ボーンは派手に白兵戦を…

表現の自由とはなんだ?あんたのそれは「表現」なのか?

前書いた記事が「炎上マーケティング」だと断定して書いて、もっと根本的なことを言えなかったから(文章下手杉内)、ここで総合的な表現とは何なのかを書く。 それは表現ではなく商品です この資本主義社会で生きる上において、表現には全て値札が付きます…

月曜日のたわわ

「月曜日のたわわ」 これは、炎上マーケティングが国連まで飛び火するとは思わなかったというハナシだと思うんですけど。まず前提として、すべての芸術は差別なんです。意図的に誇張したい部分を誇張し、差異を表現するのが美術なのです。それによりルネサン…

「さよなら絵梨」所感

「ぼくのエリ」は観てないので、そこら辺はなんとも言えないんだけど。本作は藤本タツキ作品で頭一番揺さぶられた。すごすぎる。「信頼できない語り手」「叙述トリック」が漫画という媒体で出来るなんてすごいな。一体何が本当なのかフィクションなのか。こ…

「アメリカンヒストリーX」

怒りは全ての感情に勝つ。憎たらしいやつを怒りに任せて殺したときに脳にあふれるドーパミンの高揚感は、凄まじいものだろう。観客も、ぶっ殺したいやつを一人や二人思い浮かべるかもしれない。そいつをぶっ殺した時を想像してみるといい、多幸感を感じるか…

「他人に期待するな」と「人は一人では生きられない」のパラドックス(微修正版)

「他人に期待するな」 「人は一人では生きられない」 このふたつの言葉は、おおむね「公正世界信念」に組み込まれる、道徳的な言葉です。しかし、この二つは聞いての通り矛盾している言葉です。このテの話は中島義道の本に詳しく書かれてるのですが、私の言…

漫画版「プラネテス」

高校以来の再読。アニメ版の内容は忘れてしまったし、ウチにテレビないから再放送見れないので原作ということで。この漫画の内容はSF宇宙モノではなくて鬱病寛解のプロセス+α。ハチマキは、読む限りでは躁うつ病の傾向が見受けられる。平常状態から、怒りに…

再論。「虐殺器官」

なぜロシア兵はジェノサイドに踏み切る心理に至ったのか。テレビのコメンテーターか何かが言うには、撤退時に背中から撃たれないように完全無力化するそうな。まず第一に、ちくま学芸文庫「戦場における「人殺し」の心理学」や、僕の好きな映画「ブラックホ…

イライラした世界「アメリカン・サイコ」

またまたまたまた「ファイトクラブ」と「マトリックス」問題。どうやら海外のオルタナ右翼は前述二作に加えて「アメリカン・サイコ」にも悪影響を受けているという噂をネットで耳にしたので観た。最近の僕は、ウクライナ戦争のバックボーンにもあるオルタナ…

押見修造 読み切り版マンガ3作読んだ

いやーーーー。押見修造のフィーリングはすごく合う。『惡の華』『ぼくは麻理のなか』『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』は全部読んで、『血の轍』『ハピネス』は途中で買うのやめちゃったけど(勿論面白い)、押見修造はやっぱり今いちばん好きと言える…

まじりっけのない青臭さ「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」

映画館で見て原作も買って、無性に読みたく・観たくなってきて、読み観した。いい感じに緊張感が張り詰めてる映画で観やすい。しかしバンドってのが青臭い!内向的な男が学園モノを描こうとすると必ず「バンドもの」になるんですよ。「スケットダンス」も「…

戦争という祝祭「ザ・ウォール」

時事的だったんで「アルマゲドン」を観たけど、なんか感動しなかった。何百回も観てるせいか。やはりウィリスは「ダイ・ハード」しかし、こういう“アメリカニズム”をドーンとやられると、やっぱり男として昂ぶるものがある。あるのだが、やっぱり戦友とのホ…