大草原の小さな寒村

孤独に歩め。悪をなさず。求めるところは少なく。林の中の象のように。

【地下室TIMES以降】2021年の邦楽ロックバンドシーン

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クソ上から目線なお客様意識と、バンド文化にすがる1リスナーというダブルシンクな見地で言いたいことを言おうと思う。当事者には本当に失礼な文章かもしれない。

 

インディーロックのプレゼンターとして強大なる権力を誇示していた、地下室タイムズが更新を辞めて、BASEで新譜の入荷も辞め、これでもはや1年以上が経った。

かのブログを読んでいた人たちは、いま、何を聴いているのだろうか。

もう新しいバンドをDIGることなく、TETOとかPKshampooなどを聴き続けてるのだろうか。

かのブログがコキ下ろしていた、いわゆるヨル系を仕方なく感受して「うっせえわ」とか宣ってるのだろうか。

 

地下室タイムズの失墜の少し前、「駅前ツタヤさん」文化も淘汰された。

そして、サブスクの網が完璧にネットを覆い尽くした。もはや音楽は月額980円か、こだわらない人はyoutubeで十分、というモノになった。

言ってしまえば、ロキノンスヌーザーツタヤから連綿と続いていた権威から音楽が解き放たれた、全く新しい時代に到達した時代だと思う。

音楽のスタイルも変化した。4つ打ちとEDM以降を模索する時代にもなった。

権威的にシーンを引っ張り、ときにインディーバンドをフックアップするアジカンとかノベンバみたいなバンドも、ここいらのギターロック系にはもういない(ボカロ発系とかにはいる)。

レーベルの権威も薄まった。

 

今は音楽を、足繁く、自分の足でDIGらなければならなくなった。

ぼくらはサンズ・オブ・リバティ、自由の子どもたちになった。

 

ぼくらは探し続ける。自分の足で。

タワレコに趣き、その店舗ごとにレコメンドされていたり、試聴機に入っているインディーバンドの生焼きのCD-ROMを買う。

youtubeitunesの「あなたへのおすすめ」や、生成されたプレイリストを這いつくばるように嗅ぎ回る。

気に入ったインディーバンドがよくブッキングする相手のバンドや、イベント参加するバンドたちを見つけては追い回す。

そして、いずれ分かってくる。この群雄割拠のインディーロックシーンの輪郭を。

バンドマンさんたちの実情では儲からないとまことしやかに言われてるサブスク、youtube。そしてSoundCloud

それらが存在して、いちリスナーとしては逆に良い気がしている。コロナで外にも行けない現状、何より、探しやすいからだ。

気に入ったら、自分の足で買いに行く。自分の足でライブに行く。

少なくとも、大きな権威がシーンを牽引していた時代よりかはマシだろう。

やっとこさ、邦インディーにポストモダンが訪れたのかもしれない。

もうこれが20年代における平均的リスナーのスタンダードスタイルだろう。音楽は変わった(大塚明夫)。

 

・・・だが、逆にアジカン ノベンバ的なデカい権威が欲しい時代でもある。

正常位のラッドウィンプスでは満足できないんだ、俺達は。

それを探すのも自分の足と目だ。

イベントのヘッドライナーだったり、ようつべの再生数だったり、インスタTwitterのフォロワー数だったり。

 

とにかく、何が真実かは自分で見つけろ(大塚明夫)、ということである。

もしかしたら、この年は新たなブームの過渡期で、3年後5年後にデカい、なにかしろの「権威」が登場するのかもしれない。