大草原の小さな寒村

孤独に歩め。悪をなさず。求めるところは少なく。林の中の象のように。

ウクライナ戦争。ざっとこれまでの推移。

「戦争? 始まってますよ、とっくに」

一週間と数日前。プーチンが突如、ウクライナに戦線布告を行い、怒涛の侵攻を行ったが、戦争はプーチンの宣戦布告以前から始まっていた。

ja.wikipedia.org

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2014年のクリミア紛争の以前から、ウクライナでは親露派とEU派の分裂が始まっている。

事を遡れば、1994年の『ブダペスト覚書』に端を発する(それ以前になればソビエト崩壊ということもあるが)。

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EUとロシアの中間にあるウクライナという危険地帯のキナ臭さは、核保有の是非に端を発している。

その延長線上に、2004年のオレンジ革命や、ユーロダイマン革命の闘争があり、ウクライナは分断されてしまっているのだ。

そして、大きな動乱として2014年クリミア半島紛争が起こった。

しかし、このクリミア半島紛争でも決着を見せぬまま、未だに親露派とEU派・NATO加盟派の内紛は起こっている。戦いは終わってないのだ。

courrier.jp

この2019年の記事の無料分を見ても分かる通り、内紛は止まっていない。

分断闘争は過激化し、右派は『ネオナチ』の温床となり、今のゼレンスキー政権には、ネオナチ化した右派のバックボーンがついている。

プーチンが云った「ウクライナの脱ナチ化を進める」という言葉は、プロパガンダでも間違いでもないのだ。

右派ゆえに、ゼレンスキー政権は『徹底抗戦』の姿勢を見せる。女子供以外の亡命を許さず、市民の義勇兵を徴兵するという行いもできる。

プーチンは狂人ではない。

バイデンが大統領となり、「世界の警察」を辞めた合衆国。

世界の警察などもういない。

そして、NATOが武力介入すれば世界大戦に発展しかねない。

そんな愚かなことをNATOは選ばないということを承知の上、周到な準備のもとにプーチンは電撃的なキエフ陥落を目指した。

後述するが、プーチンは狂人ではなかった。

ロシア<プーチン>にとっては、ウクライナの極右化とNATO加盟は恐怖である。

ネオナチ化した危険な国家・ウクライナNATOに加盟すれば、ロシアの喉元に直接 刃が突きつけられることとなる。

ウクライナを平定するタイミングは、この時しかないのだ。

プーチンは、国際社会から多少の批難を浴びてでも電撃的にキエフ陥落を目指したかった。

しかし、この電撃作戦は失敗となる。それは前線の兵士たちが人間であるからだ。ロシアとウクライナソ連から分断された国家であるため、ロシア兵は身内を殺すような士気がなかった。

そして、コトは泥沼化していった。

電撃的にキエフ陥落が可能であれば、プーチンヒトラー扱いなどされず、ウクライナに傀儡政権を作り「ただの危険人物」としてプーチンは処理されるはずだった。

だが、電撃作戦が失敗に終わり、泥沼化してしまった今、プーチンには「21世紀のヒトラー」というレッテルが貼り付けられた。

これは、プーチン本人にとっても心外なことであろう。自らが歴史の汚点になろうなど、誰ができようか?

プーチンが狂人だというレッテルは西側のイデオロギーだ。プーチンは狂人ではなかった。

今後

しかし、プーチンは狂人とされても、もはや後には引けない状態になった。

ロシアはウクライナをなんとか平定しなければならない。

徹底抗戦を掲げるゼレンスキーの思想も、もはやプーチンより過激だ。

ここで撤退すれば、さらにウクライナ国内は内紛を繰り返し、その火花がいつかロシアにも降りかかるかわからない。

プーチンは、切実にゼレンスキーに投降を促す。そのために、核という最強のカードをちらつかせるほど、だ。

プーチンは汚名を背負ってでもウクライナを平定させたい。

しかしゼレンスキーも過激なナショナリズムの元に戦いを続けようとする。

両者ともに銃を下ろせなくなってしまっている。退路は絶たれた。

今後、どうなるだろうか。

全面戦争になるから、NATOは介入しないと思う。

たぶん。両勢力は損耗しあいながらどこか利害が一致する点に落ちるだろう。

ワタシ的には、西側のヒューマニズムに基づくプロパガンダで、悪とみなされたロシアという国が不憫でならない。

一刻も早くことの始末をつけてほしい。